白川郷

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　　　　　　　　　　　　　　　　　白川郷を歩く　

白川郷と言えば、誰もが「合掌造り」と答えるほど有名です。　　学生時代、建築の勉強をしている友人から五箇山と言えば？　　と訊かれて私は答えることができませんでした（泣）　　　　この友人、白川郷と五箇山の大ファンで、　　アルバイトをしては、休みの度に通うほど入れ込んでいました。　　　　休みが明けると、大量の写真を見せてもらったものです。　　そのせいか、白川郷と五箇山のイメージは出来上がっていました。　　　　そしてそのイメージのままで待つこと十数年。　　まるで恋人に会うような気持ちで白川郷、五箇山へ向かったのです。　　　先に訪れたのは白川郷でした。　　着いた瞬間に、写真から得たイメージが崩壊しました。　　白川郷には自然のハーモニーが満ちあふれていたのです。　　　水しぶきを上げて流れる谷川の清流、独特なリズムで杵音を響かせる水車。　　深呼吸をすれば甘露にさえ感じられる澄んだ空気、どれもこれも写真では得られないものばかり。　　　白川郷に立っているだけで、心が清められ、体が浄化されていくような気がのを、今でも鮮明に覚えています。　　　平成７年に世界文化遺産として五箇山とともに登録された白川郷は、　　岐阜、石川の県境にある霊峰「白山」山麓の山間の村です。　　　　両手を合わせたような、茅葺きの大屋根。　　ビルにすると４階建てにはなるだろうこの合掌家屋には、　　かつて５０人もの大家族が住んでいたそうです。　　　特に、村最大で築後４００年という最古の合掌造りの民家として、　　国の重要文化財に指定されている和田家は迫力があります。　　　　元々は代々名主や組頭を務めた由緒ある旧家だったのですが、　　現在はデイと呼ぶ客間など、一部を公開しています。　　　白川郷では耕地面積が少ないため、　　合掌民家の軒下まで稲田が迫っています。　　　　　　白川郷の大家族制度は、　　耕地面積が少ないことに関係があると聞きました。　　　耕地が少ないので分家に出すことができないし、　　主に養蚕で生計を立てていたので、人手が必要なため、　　このような大きな家を造ったというのです。　　　山里の奥深い自然の中に、忽然と現れる茅葺き、　　合掌造りの民家が立ち並ぶ光景はまさに圧巻です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戦前に白川郷を訪れたドイツの建築家ブルーノ・タウトは、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「メルヘンの世界」と大絶賛し、世界に向けて紹介しました。